サイトカインとは

サイトカインは細胞間伝達物質の1つ

生体内で様々な「細胞間情報伝達」を担うタンパク質の総称のこと。

※細胞間情報伝達物質・・・「神経伝達物質」,「ホルモン」,「サイトカイン」があります。

 

サイトカインの分子量

分子量=8,000~30,000(3万)
状 態=タンパク質 あるいは糖タンパク質

(文献により1万~5万もありますが,一般的に数万以下といわれています。)

 

サイトカインの特徴

産生する細胞が多彩

標的となる細胞が多彩

生体の恒常性維持,細胞間の情報交換として必須

多様な作用を持つ

生体の恒常性維持において必須の生理活性物質

 

リンパ球,単球などの免疫担当細胞だけでなく,上皮細胞,線維芽細胞,脂肪細胞などの正常細胞からも生理活性物質を産生します。リンパ球から産生されるサイトカインは「リンホカイン」とよび,単球から産生されるサイトカインは「モノカイン」と呼ばれます。性状から炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインと呼ぶことがあります。

炎症性サイトカイン IL-1,IL-2,IL-6,腫瘍壊死因子(TNF) など
抗炎症性サイトカイン IL-4,IL-10,IL-13 など

たとえば,インターロイキン1(IL-1)やTNF-αは好中球の活性化をもたらし,インターフェロンα,βはウイルス感染の防御に対し,γは免疫系に作用します。

 

造血に関わるサイトカインもあります。そのサイトカインを造血因子と呼ぶことがあります。

造血因子には,「コロニー刺激因子」,「インターロイキン(IL-3)」,「エリスロポエチン」,「トロンボポエチン」などがあり,これらは造血と深く関係します。つまりエリスロポエチンは「腎臓で産生されるサイトカイン(造血因子)の一つ」といえますね。

 サイトカインは多様な細胞から産生し,標的となる細胞が多彩で,多用な作用を持っていることがわかります。

 

サイトカインは他にも驚く点

他の細胞に対して増殖や分化を調節するような作用のあるタンパク質(ホルモンやサイトカインなど)を産生する一部の細胞を,次の①②③に分けることができます。
①血液を介して離れた細胞に向けて刺激するのが「エンドクリン」。これはホルモンが代表的ですね。 ②局所で隣接する細胞に向けて直接分泌する「パラクリン」, そして③自己が自己を刺激する物質を分泌し,それを自己が受け取る「オートクリン」というのがあります。

サイトカインは,上記の中で②③の様式で刺激を行えます。それによって,サイトカインは自らのサイトカインの産生を誘導させたり,他のサイトカインの産生を誘導や抑制したりすることができます。

つまりサイトカインは,サイトカイン同士の相互作用を持っています。

 

 

<まとめ>

サイトカインのまとめ
(1)産生細胞は「免疫担当細胞」と「正常細胞」
(2)炎症反応の惹起や免疫の調節する。
(3)やウイルス感染細胞や腫瘍細胞を障害する。
(4)細胞の増殖や分化を誘導させる。
(5)サイトカイン同士の相互作用を行う。

 

透析の透析液清浄化関連で比較的よく耳にする言葉ですが,決して悪者ではありません。ただ,サイトカインには重複性があったり,過剰に活性してしまうことが挙げられます。重複性としては2種類以上のサイトカインが同じ活性を示すのがあります。

<透析現場>

・炎症性サイトカインが関連する病態に,栄養障害,動脈硬化,摂家九造血刺激因子製剤治療抵抗性貧血などがある。
・ダイアライザー素材,エンドトキシンなどの接触により,サイトカインが産生・分泌が起こる。清浄化レベルの低い透析液においてエンドトキシンが血中に流入しやすい。