〔解説〕
血液濃縮の問題となります。限外濾過をするということは,血液の血漿成分から水を取り除くということになります。
ですので,全血のままでは,血球成分を含んでおり計算することができません。そこで,血漿成分と血球成分に分ける必要があります。
血漿成分と血球成分を分けるために,Ht値を利用します。
(Ht値はドロドロ成分ですので血球成分を指しています。)
血液(全血)は200mLに,Ht値30%をかけることで200×0.30=60mLという血球成分を求めることができます。
血球成分が60mLと血漿成分200-60=140mLが求められます。
ここまでの,まとめ・・・・
(1)Ht値30%の時の血液200mLは,血球成分60mLと血漿成分140mLに分けることができます。
(2)限外濾過は血漿成分からでしか水を取り除くことができない。
設問文では限外濾過で30mLとなっています。血漿成分(140mL)だけに影響が起こるので140-30=110mLとなってしまいます。
血球成分は膜を通過することができませんので,限外濾過で血球数が変化することもありません。
ですので,血球成分60mLと限外濾過された血漿成分110mLとなります。
これで,血液(全血)は110mL+60mL=170mLとなります。
ここまでの,まとめ・・・・
(1)限外濾過された血液は170mLになっている。
(2)限外濾過された血液は血球成分60mLと血漿成分110mLに分けられます。
ここで得られた血液からHt値を求めることになります。計算式は(Ht=血球成分/全血)です。
血球成分は,60mLとわかり,全血は60+110=170mLより計算式は次の通りになります。
Ht(%)=(60/170)×100
上記の計算式を解くことでHt値(%)を求めることができます。
Ht(%)=35.2941となり,もっとも近い値は35%のbとなります。
当問題は受験生様からの問い合わせがあったため掲載しております。