S型・ダイアライザー
透析膜(ダイアライザ:dialyzer)
S型血液透析器の定義 (特別な機能)
- 生体適合性に優れる
- 抗炎症性
- 抗酸化性
- 吸着によって溶質除去が可能
など・・・
BUN,β2-MGといった,従来の溶質除去能とは異なる機能として定義されています。
つまり,特別な機能とは「溶質除去よりも特別な機能によって病態改善に有効となりうる機能をもつ」となります。
S型血液透析器
①EVAL(エチレン・ビニル・アルコール共重合体)膜
親水性のため,親水化剤であるポリビニルピロリドン(PVP)を必要としないので血漿蛋白の吸着も少ない特徴をもちます。また血小板の活性が少なく,好中球の活性化による活性酸素などの産生が少ないといった,生体適合性に優れた特徴を有しています。
そのためS型血液浄化器と区別されています。
②PMMA(ポリエチレンテレフタレート)膜
膜の孔径は比較的大きいためアルブミンに近い大分子溶質の除去に優れています。ポリビニルピロリドン(PVP)などの親水化剤を用いないことによる蛋白吸着特性を持っているので大分子溶質の吸着除去ができる。(膜抵抗もやや大きい)
※今後新たに開発される血液透析器については,随時,審議される。臨床評価も想定されるため,一旦Ⅰ・Ⅱ型に分類され,のちにS型と分類されることがありえるでしょう。
<関連用語>
・生体適合性(補体系反応など) 更新予定
・ポリビニルピロリドン(PVP) 更新予定