水処理装置〔活性炭濾過装置〕

活性炭濾過装置

RO装置の逆浸透のみでは,生体に有害な塩素類(クロラミン等)を完全に除去することができません。ですので,対応策として活性炭を利用した吸着除去を行います。

活性炭濾過装置の吸着能力が不足した場合,目的物質の除去が不能となり,臨床的に多大な影響を及ぼすことになります。そのため,本装置は,より除去するために活性炭濾過フィルタを直列2段に設置し運用されることを推奨します。この場合の残留塩素の確認は,まず入り口で濃度を確認後して,一段目出口,二段目出口で基準値未満であることを確認する。

原理と構造

原水の遊離塩素の濃度は地域によって異なりますので,事前の処理能力の設計が重要となります。

活性炭濾過装置は,FRP製または鋼製の容器に活性炭を充填し,原水と接触する構造を持たせたものと線維状活性炭カードリッジフィルタの2種類が使用されています。ちなみに,活性炭カードリッジフィルタは簡便に交換できる特徴があります。

吸着能力の確認は,日常的に装置の出入り口で残留塩素を測定し確認て,除去が行われているか評価します。チェックは,毎透析開始前と終了時に施行し記録するのが望ましいです。

管理上の注意

活性炭濾過装置も,塵などの濁室成分による活性炭表面の汚れや通水流路のつまりを防止するために,定期的な逆洗が必要となります。この工程は装置に内蔵されたタイマを設定することで適宜行っています。

また,活性炭濾過装置は,原水の消毒を目的に用いられる塩素を除去するため,装置内や囲碁のラインでの細菌繁殖に注意する必要があります。

塩素消毒

次亜塩素酸ナトリウムを水に注入していくと残留塩素も比例して増えていく。

塩素は酸化剤であることから,細菌などを不活化するだけでなく無機物・有機物を問わず酸化できるものは全て酸化し,自らも分解されます。また,水中にアンモニア成分が含まれていると遊離残留塩素ではなく,クロラミンなどの結合塩素になることが知られている。

なおクロラミンはRO装置では除去しにくいため,積極的に取り除く必要がある。

  活性炭濾過
装置
アルミニウム ×
クロラミン
×
フッ素イオン ×
硝酸性窒素 ×
硫酸イオン ×
亜鉛 ×
カルシウム ×
マグネシウム ×
カリウム ×
ナトリウム ×
ヒ素 ×
バリウム ×
カドミウム ×
クロム ×
×
水銀 ×
 セレン ×
 (※3) ×
マンガン (※3)
遊離塩素
パイロジェン
細菌 ×
微粒子 (※3) ×